富士通は2015年度から海外でソフトやシステムを開発する「オフショア開発」をベトナムで開始する。富士通のオフショア開発はこれまで中国が約9割を占めていたが、人件費の安いベトナムの比率を増やし、17年度をめどに中国の比率を7割に下げる。国内でシステム技術者の不足感がでてきており、オフショア開発を拡大することで開発費を抑える。

ベトナム子会社では10人規模で始め、17年度に100人規模に増やす。日本語を話せるIT技術者を育成し、日本の開発現場と連携する。またベトナムIT(情報技術)最大手のFPTなど現地のソフト開発会社への委託も進める。ベトナムのIT技術者の人件費は中国より3割近く安い。コスト削減の優先順位が高い案件などをベトナムに出す。

中国でのオフショア開発も維持するほか、欧州子会社などが主に使っていたインドの拠点の活用も、クラウドや車載関連向けを中心に増やす。現在、全体の作業工数に対するオフショア比率は5%以下とみられるが、早期に10%以上に引き上げる。