最終更新日:2024/01/09
アドホックテストとは?全貌と効果的な活用法
開発においてテストの存在はとても重要です。バグやエラーなど、不具合を早期に発見し、解決することで手戻りを最小限にできれば、開発の効率やスピードを高め、余分なコストをおさえることができます。
さまざまな角度から不具合を発見するために、テストには多くの手法が存在しますが、今回はアドホックテストについて解説していきます。
|この記事でわかること
- ・アドホックテストとは何か、その目的と特徴、種類
- ・モンキーテストとの違い
- ・アドホックテストの効果と注意点
アドホックテストとは?
『アドホック(ad hoc)』とはラテン語表現で『限定目的の』『特定の目的のための』『その場限りの』といった意味を持つ語句であり、アドホックテストとはテストケースなしで行うテストの一種です。テストケースを用意せずに場当たり的に行っているように見えるのでアドホックテストと呼ばれています。
アドホックテストの目的と特徴
アドホックテストの目的は不具合を発見することです。もちろんアドホックテストだけでなく、全てのテストはバグやエラーを発見することを目的として実施されます。1つのテスト手法だけでは不具合を見落としてしまうことがあるため、さまざまな角度からテストを行うのです。
アドホックテストには主に下記のような特徴があります。
- ・テストケースなしでランダムに行われるテストである
- ・テスト担当者がこれまでの経験や知識をもとにエラーを推測しテストを行う
ランダムに行うテストなので場当たり的に見えますが、経験や知識のある担当者が実施するテストであるため、エラーなどはある程度あたりをつけて実施されるテストであるというのも特徴の一つです。
モンキーテストとの違い
アドホックテストと同じ意味でモンキーテストという言葉が使われることがありますが、厳密に言うとアドホックテストとモンキーテストは違うものです。
テストケースを用意せず場当たり的に行うという点ではモンキーテストもアドホックテストも同じなのですが、モンキーテストの担当者は開発に関する知識やスキルがあまりない者であるという点が異なります。開発やシステムに関する知識がない担当者は、開発側や開発の知識がある担当者が思いもつかない操作をすることがあるため、予期せぬ操作に対する不具合を発見しやすいというメリットがあります。
対してアドホックテストは開発に関する知識を持つ担当者が行うため、モンキーテストとは異なり、必ず有効な文字列を使用するなどテスト内容も少し変わってきます。
モンキーテストについては下記の記事に詳しく解説しているのでぜひご一読ください。
https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/monkey-test/
アドホックテストの種類
アドホックテストには『バディテスト』『ペアテスト』などの種類があります。それぞれ解説していきます。
バディテスト
『バディ』とは仲のいい友人やパートナー、または共に仕事をする相手を指す言葉です。よく映画やドラマなどにある2人の刑事が主人公の作品をバディものと呼んだりしますね。
開発におけるバディテストとはテスト担当者と開発担当が共に行うテストです。ユーザー目線とエンジニア目線、テスター目線と開発者目線でテストが行われるので、それぞれの目線から不具合を発見することができます。
ペアテスト
ペアテストとはテスト担当者が2名で同じシステムのテストを行うものであり、この2名は別々の箇所のテストをそれぞれが担当することもあれば、アドホックテストにおける別々の役割(実施と記録など)を担うこともあります。
アドホックテスト導入の効果と実施にあたっての注意点とは?
アドホックテストがどのようなものか、理解が深まったところで実際にアドホックテストを導入した際の効果や、実施にあたっての注意点についても確認しておきましょう。
想定外のバグやエラーを発見可能
アドホックテストは経験や知識を有するテスト担当者がある程度あたりをつけて直感的に行うテストではありますが、ランダムに行う性質上、開発側が想定しない不具合を発見することができます。テストケースに基づいて行われる各種テストでは見落とされてしまうバグやエラーなどの不具合を発見できるというのはアドホックテストを実施する上での大きなメリットでしょう。
準備不要なので比較的短時間で実施可能
テストケースを用意しないアドホックテストは、テストケースを用意しなければいけない他のテストとは違い、準備が不要です。そのため、開発にかかる時間を比較的圧迫せずに実施することができます。
品質に関する評価が難しいことに注意
アドホックテストはシステムやソフトウェアの品質を上げるのに役立つテストではあるのですが、アドホックテストはランダムに行うテストですので、システムやソフトウェアの品質評価にはつながらないことに注意が必要です。
まとめ
日本企業にとってDX化が急務と言われてしばらく経ちますが、デジタル化は進んでいる一方、トランスフォーメーションはなかなか進んでいないと言われています。
世界的パンデミックの影響でIT化が加速し、DX人材の育成を積極的に進めている大手企業も多いとは言え、育成にはコストも時間もかかります。そのため、なかなか育成まで手が回らない中小企業も多く、国内のIT人材不足は深刻な状況が続いています。
IT人材不足を解決するべく、ITに関する業務を外部に委託する企業も増加しています。外国人材採用や、海外へのアウトソーシングも今ではすっかり一般的になりました。
海外への委託と言えばオフショア開発ですが、1970年代から始まったとされるオフショア開発は、当初はコスト削減を目的として利用されることが多かったのですが、近年では優秀な人材を確保する方法の一つとして選択されています。さまざまな開発手法を熟知した経験豊富な人材を国内だけで探すのは難しくても、海外に目を向けることで優秀な人材に出会うことができるからです。
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