海外エンジニア&オフショア開発活用が必須!「AI開発」のメリット・ポイント・成功事例

公開日:2021/09/02 最終更新日:2023/12/25

海外エンジニア&オフショア開発活用が必須!「AI開発」のメリット・ポイント・成功事例

近年、急速に注目を集める「AI」というキーワード。多くの企業が「AI」を活用したサービスの提供を検討しています。一方で、「AI」という言葉が独り歩きし、万能薬のように捉えられてしまっているケースも少なくないでしょう。そのため、「AI技術」ありきの開発になってしまっている印象があります。そもそも、AI技術を活用し「どんな課題を解決したいのか」が先にあるべきです。

そのようなことを考え、AI開発プロジェクトを進めていくためには、データサイエンティストとしての要素を持ち、ビジネスデザインできるエンジニア=「AIエンジニア」が不可欠です。しかし、そうした役割を実行できるエンジニアは日本人リソースが特に不足しており、海外に比べその単価が3倍以上になっている現状があります。

そこで、本記事では、そうしたAI開発の現状について解説するとともに、海外のAIエンジニアへのインタビューを敢行しました。成功のポイント、進め方、成功事例をご紹介します。是非、御社のビジネスに生かしてください。

INDEX

・AI(人工知能)とは?

・重要なのは「どんな問題を解決したいか」

・スモールスタートも可能

・AI開発に必要な “本物” のAIエンジニアとは?

・AIエンジニアは 海外採用 or オフショア開発

・AIエンジニアインタビュー

AI(人工知能)とは?

そもそもAIとは、Artificial Intelligenceの略語であり、「人工知能」を指します。言葉の歴史は古く、1950年代から使われていましたが、技術的な進歩により近年大きな注目を集めています。一般的な定義は、人間が行う知的な活動(言語の理解、視覚情報の判別、課題解決のための思考、創造)を機械によって再現させることです。

 

近年、機械学習のうちのひとつの手法である深層学習(ディープラーニング)と画像認識の精度の発達により、ある特定の作業をするロボットや車の自動運転などは大きな進展を見せています。ただし、これらはAI技術のある一部分に過ぎないということは理解しておくべきです。

 

更に技術が進歩すれば、あらゆることに応用の効く「汎用型AI=心を持ったロボット」なども実現できるかもしれません。一方で、既に普及している画像からテキストを抽出するOCRや、検索・マッチングサービスで使われるようなアルゴリズムによる自動化されたシステムもAIの範疇と言えるでしょう。

重要なのは「どんな問題を解決したいか」

さて、そうしたAIをうまく活用することができれば、業務の効率化、サービスの精度の向上、話題性・ブランディングなど、様々なメリットを享受できるでしょう。

 

しかし、AI開発を進めていく上では、先述したAIの定義を理解しておかないと、うまくは行かないでしょう。重要なのは、「AI技術を使って、どんな問題を解決したいか」となります。自社内の問題を解決するためにAI技術を活用するのもいいですし、ある問題を解決することをサービスとして提供することもいいでしょう。その問題解決のために、AIと呼ばれる技術のどの部分を使うかをきっちりと定められるかによって、その開発が成功するかどうかが決まります。

 

例えば、「伝票処理」で特定の知識や経験を持つ個人に頼っている場合を見ていきましょう。伝票処理はOCRと簡単なルールベースの仕組みで多く採用が進んでいます。

 

また、売り上げ予測や来客数予測によるアルバイト・パートシフトの最適化など、個人の知見や経験に頼っていたり、またその精度がビジネスにおける利益やコスト削減、顧客満足度に関わる分野での活用はどうでしょう。複雑なルールを組み合わせたルールベースや過去データ、例えばオリンピックや祝日などのイベント、天気や気温も合わせて機械学習で予測して95~98%の精度で来客数を時間帯別に予測できるようなソリューションも実在します。

 

そのため、「データがたくさんあるからAIで」ではなく、データサイエンティストと業務システムの目的やフロー、最適化の提案と開発ができるパートナーが必要になります。 そうしなければ、「帯に短し襷に長し」といったサービスができてしまうでしょう。そうした意味では、ビジネスモデルを理解し、設計をすることのできる人の力が必要となります。彼らはデータを分析した上で、解決策の実装を検討していきます。当然、予算の策定も含まれ、そうした検討の中で特定のAI技術を用いた開発を実施することを決めていくのです。そうした働きをするエンジニアが「AIエンジニア」と呼ばれます。

スモールスタートも可能

一般的にAI開発には莫大な予算がかかるというイメージが強いかもしれません。しかし、上記のことから、「AI開発は莫大な予算がかかる」という先入観は払拭できるのではないでしょうか。

 

例えば、マッチングサービスを作ろうとしたときも、いきなり「ディープラーニング」を活用したマッチングを実現しようとしなくてもいいことがわかります。キーワードによるマッチングでも、課題を解決できるのであれば全く問題ないのです。そして、そのサービスが軌道に乗ったタイミングで、フィルターによるマッチング、機械学習によるマッチングと進めていくこともできるでしょう。つまり、AI開発もスモールスタートが可能なのです。

 

現状、多くのマッチングサイトやECサイトでの商品をおすすめするアルゴリズムはフィルターの組み合わせとチームや組織の積み重ねたナレッジベースで運営されており、良い結果も出しています。予算や精度、使用目的に応じてAIの採用に進むか、フィルターベースにするかなども含めてAIエンジニアと相談が必要です。また、AIにもさまざまなレベルがあり、開発費用もさまざまなのでまずはビジネスプロセスとデータの開示、目的の再確認を開発パートナーと相談することが必要と言えるでしょう。

AI開発に必要な “本物” のAIエンジニアとは?

さて、先程「AIエンジニア」について述べましたが、この「AIエンジニア」をAI技術に関するコードを書ける人、と誤解してしまっている企業は少なくありません。しかし、“本物” のAIエンジニアとは、ビジネスプロセスに合わせて設計、インプリできるエンジニアです。また、アルゴリズムを研究、開発することと同時にどのようなデータを学習させるかをデザインしてデータの整備やクレンジングをすることもAIエンジニアの大きな役割です。ビッグデータが叫ばれた時代もありますが、そのビッグデータを分析ではなく、目的に合わせて特性や性質によって細かくすることも必要となります。

 

そして、彼らはいま多くの企業から求められている人材でもあります。なかでも日本ではこうしたAIエンジニアは希少で、300万円/月くらいのリソースとなっています。

AIエンジニアは 海外採用 or オフショア開発

開発期間も様々ですが、概ねコンサルティングからPOCのコンセプト、KPIを決定してアルゴリズムの設計、データのデザイン及びある程度の学習機関と分析は3〜4ヶ月が平均で、機械学習の結果の分析によりアルゴリズムの調整やデータの調整を行い、結果の最適化を行います。

 

こうした話をすると、「スモールスタートなんて…」と思われるかもしれませんが、実は海外においてはこうしたエンジニアのリソースが着実に増加している状況にあります。そのため、日本と比較すると100万円/月ほどと、3分の1程度で活用することが出来ます。

 

そのため、AI開発に取り組むのであれば、海外採用、もしくはオフショア開発を導入することをオススメします。そうすることにより、日本よりも低価格で質の高いAI開発を実現できるでしょう。

AIエンジニアインタビュー

さて、これまで一般的な話として、AI開発、そして海外エンジニアを活用していくことのメリットをお伝えしてきました。本記事の締めくくりとして、実際に一線級で活躍する海外のエンジニアにお話を伺いました。是非、AI開発を進める上での参考にしてください。

 

お名前:Ilija Lalkovski (イリア・ラルコブスキー)

所属:Web Factory MK AI事業部 共同創設者・ゼネラルマネージャー・AI事業部長

プロフィール:2006年から2010年までスコピエの自然科学数学部で学び、コンピューターサイエンスの学士号を取得。マケドニア情報オリンピックで銅メダルを獲得し、バルカンOIで5人の最高のマケドニアプログラマーとして表彰される。 Web Facotry  黎明期からビジネスからテクノロジーまでWeb Factory MKの多くの部門に関与し、AI部門を設立。

Q:あなたが取り組んでいることについて教えてください。

 

A:Web Factory MKのAI部門は画像処理と自然言語理解の両方を融合する研究プロジェクトを開始したときに誕生しました。連続した画像の解析をし、テキストベースの物語を自動生成するモデルを開発しました。それ以来、情熱的なAIエンジニアのチームは、AIの複数の分野で研究を行っています。画像処理・認識、財務予測、ECにおけるレコメンドエンジンなどの分野をカバーしています。また、マケドニアやブルガリアの大学の教授とのコラボレーションに参加し、積極的に研究に参加しており、日々とても早い速度で進化しているAIの最新の理論や技術を実際のソリューションに適用可能にしています。

Q:AIや機械学習のソリューションを開発する課題は何ですか? AIプロジェクトを開始するにあたり重要な項目はありますか?

 

A:AIソリューションを開発するための前提条件は、質の高いデータと分析です。さらに重要なのは、データと、それがビジネスにどのように関連しているかを分析して理解することです。ビジネスの目的を把握し、最も適切なAIによるアプローチとモデル(ディープラーニング、機械学習、レコメンデーションエンジン、パターン認識、時系列分析)を見つけ、結果を測定するプロセスが最も重要な部分です。

例えばECサイトでのユーザーに対する商品の提案、画像解析による製造ラインでの不良品検知には機械学習が広く受け入られ浸透しつつあります。 

Q:具体的な研究内容や実績を教えてください。

 

A:大学の研究室での研究室では多くの論理の取得やリサーチをし、Web Facotry MKでは多くのアルゴリズムおよびデータサイエンスのコンテストでメダルを獲得しました。Google 主催のKaggle-Santander ではFinTechのAIソリューション開発で銀メダルを獲得し、マケドニアだけではなく東ヨーロッパでも上位2%の技術力を評価されました。 

実際のプロジェクトではAIがユーザーのキャッシュフローと資産貯蓄の目標を考慮して銀行預金商品の最適な組み合わせを提案する、金融商品のレコメンドエンジンの開発に成功しました。このモデルは、投資収益率を最大化するための銀行預金商品の利率やリスクを分析し、最良の計画を提案するために、顧客の過去のキャッシュフローデータを分析して実現しています。こちらは現在FinTech企業向けに開発しています。 

Q: AIプロジェクトの進め方について教えてください。

 

A:最も重要なことは、ビジネスニーズを理解し、AIを利用できるかどうかを判断することです。目標とビジネスプロセスを理解したら、データの理解、準備、クリーニング、分析に移ります。明確なビジネス目標とクリーンなデータが得られたら、最良の結果を得るためにどのAIモデルのセットを利用できるかを決定します。 

最適なAI候補モデルを選択したら、本番環境での結果の測定を開始します。データの設定、AIモデルの構築、パフォーマンスの測定という3つのステップは、AIソリューションの構築と実装を成功させるために必要なサイクルです。 

Q:AIのプロジェクトにおける典型的な課題はありますか?

 

A:顧客の経営陣のAIに対する期待を正しく理解していただき、明確なビジネス目標を設定し、AIがその特定のビジネスに適用可能かどうかを結論付けることは課題です。 多くのビジネスでAIは活用できますが、当然ROIが必要ですし、データが多くあるからと言って必要で質の高いデータとは限りません。実現可能か、投資に見合うか、など慎重に精査される必要があります。

もう1つの課題は質の高いデータの準備です。複数の場所からデータを収集し、データをクリーンアップし、データにラベルを付け、データを分析します。これは、実際のAI開発を開始する前に必要となる長いプロセスになる可能性があります。ビッグデータという言葉が一人歩きしましたが、大量のデータ=AIの学習モデル必要なデータではありません。 

Q:IT部門が無い、社内にデータ分析が可能なリソースが無い企業がAIソリューションを実装したいと考えている場合、どこから始めればよいか教えていただけますか? AIが私の会社に適用できるかどうかを理解するにはどうすればよいですか?

 

A: 基本的な事にはなりますが、AIの技術や精度を理解しているAIエンジニアと業務プロセスを理解して最適なソフトウェアソリューション開発が可能なリソースを持つパートナーを見つける事が必要です。AIはあくまでもビジネスプロセスの最適化、例えばファミリーレストランにおける食材の自動発注、パートタイム従業員の自動シフトを売り上げや来店客数、時間帯、天気、祝祭日などの要素データから最適化する事ですが、それも大きな視点から見るとオペレーションの一部でしかありません。 多くの場合最適化にはオペレーション変更も必要となります。Web Factory MKは業務プロセスを理解し、全体のビジネスソリューションの構築経験が豊富です。我々社内のAI事業部と密接にコミュニケーションをして最適な提案と開発と運用が可能です。是非、ご活用ください。

インタビューした開発企業

Web factory MK

https://offshore-kaihatsu.com/mypage/web-factory-llc/

Web factoryはマケドニアなどに開発拠点をもつオフショア開発企業です。高い技術力、ノウハウがなければ難しい金融、医療といった業界での実績も持つ、実力ある企業です。特にAIの分野では、Google主宰のKaggleで表彰され、マケドニア政府からの出資を受けるほどです。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人


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