最終更新日:2025/05/20
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C言語は1972年にアメリカで生まれた汎用プログラミング言語で、半世紀以上経った現在も広く使われています。この記事では、C言語の特徴やメリット・デメリット、そして実際に何ができるのかを詳しく解説します。
C言語とは
C言語は1972年にデニス・リッチーによってベル研究所で開発されました。もともとOSを開発するために作られたプログラミング言語であり、コンピュータのメモリを直接操作できる、シンプルなキーワードセット、プログラムを整理しやすい書き方ができるといった特徴を持っています。高水準言語と低水準言語の両方の特性を兼ね備えているため、ハードウェアに近いプログラミングと、人間にとって理解しやすい抽象度の高いプログラミングの両方が可能です。
C言語はその汎用性の高さから、OSだけでなくロボットやIoTなどさまざまな分野で活用されています。
C言語でできること
C言語は汎用性が高い言語であり、OSや組み込みソフトウェア、ゲーム、データベース関連システムなど、さまざまな開発に活用されています。
OS開発
C言語はもともとOSの開発のために生まれた言語なので、OSの開発に長年使用されています。LinuxやUnixなどの多くのOSはC言語で書かれていますし、MacOS XカーネルもC言語で開発されています。
組み込みソフトウェア開発
組み込みソフトとも呼ばれる組み込みソフトウェアは、産業機器や家庭用電化製品に組み込まれたソフトウェアで、特定の機能に特化しています。少ないメモリで高速に動く必要があるため、C言語での開発に向いています。
ゲーム
実行速度が重要なゲームエンジンにもC言語がよく選ばれます。初期のスーパーマリオブラザーズはC言語で開発されています。
データベース関連システム開発
高速なデータ処理能力を持つC言語はデータベース管理システムの開発、データベースエンジンの構築にも活用されています。MySQLやPostgreSQLなどの中核部分はC言語で開発されており、大量のデータを効率的に処理し保存することができます。
C言語のメリット
C言語には多くの優れた特徴があり、誕生してから半世紀以上経っても活用され続けているプログラミング言語で、主なメリットは以下の8つが挙げられます。
- 自由度が高い
- 簡単に異なるOS・ハードウェアへ移植できる
- 「C++」「Objective-C」との互換性
- 汎用性が高い
- 実行速度が速い
- メモリを消費しない
自由度が高い
C言語は先述したように幅広いシステム開発に対応することができます。ちなみに、JavaやPHP、PythonやPerlなどはC言語から派生してできた言語なので、C言語を知っていればこれらの言語の仕組みもわかりやすく、さらに開発の幅が広がります。
簡単に異なるOS・ハードウェアへ移植できる
アメリカの規格であるANSIは、日本で言うJISのようなものですが、C言語は1989年に言語仕様のANSI規格化が行われています。そのため、C言語でプログラムされたプログラムは、ほとんど修正することなく、他のコンパイラでも簡単に実行できます。OSやプロセッサの影響を受けないため、どのような環境でも開発を行うことができます。
「C++」「Objective-C」との互換性
「C++」「Objective-C」はいずれもC言語から派生した言語なので、C言語と互換性があります。
汎用性が高い
高い汎用性を持つC言語はさまざまな用途に対応できます。Linuxの開発用に作られたため、ハードウェア側の開発が得意な言語ですが、組み込みソフトウェアなどのソフトウェア開発にも活用されています。
実行速度が速い
C言語は処理が高速であり、これはC言語がコンパイル型言語であるためです。人が書いたプログラムをコンピュータが理解できる機械語に変換する方法には、実行時に逐次変換する「インタープリタ方式」とプログラム全体を事前に変換しておく「コンパイル方式」があります。C言語は後者を採用しており、一度コンパイルすれば高速に動作するプログラムが生成されます。
特に計算処理を大量に行うプログラムでは他の言語に比べて何倍もの性能差が生まれることがあります。そのため、リアルタイム処理が必要なアプリケーションや、処理の遅延が問題となる制御システム、例えば動画処理、3Dレンダリング、工業用ロボットの制御、医療機器や信号機といった安全性が重要な組み込みシステムなどで力を発揮します。
メモリを消費しない
C言語はメモリ管理を直接制御できるため、必要最小限のリソースで効率的にプログラムを実行できます。そのため組み込みソフトウェアとも相性が良く、科学計算やスーパーコンピュータでの大規模シミュレーションなど、高い計算能力が要求される分野でも幅広く活用されています。
C言語のデメリット
C言語はさまざまな開発に活用できるとても便利な言語ですが、生まれてから半世紀以上経つ言語でもあるため、制限や課題も存在します。ここではC言語のデメリットを解説します。
学習コストが高い
C言語は比較的複雑な言語であり、特に初心者にとっては学習が難しい場合があります。また、近年はC言語を使うエンジニアも減少傾向にあるようです。
オブジェクト指向でない
オブジェクトごとに機能を分割して、一部の変更が他の部分に影響を与えにくいオブジェクト指向は作業を分担する際などに役立つのですが、C言語はオブジェクト指向のプログラミングをサポートしていません。そのためオブジェクト指向のプログラミングのメリットを享受することができません。
Web・スマホアプリ開発では使わない
C言語は現代のWeb開発やモバイルアプリ開発に直接使用されることは少なくなっています。開発の速度が重視されるプロジェクトでは、より学習コストが低い言語が使われることが多いようです。
C言語を使った開発は「オフショア」がおすすめ
C言語の専門知識を持つ開発者を見つけることは、特にIT人材が不足している日本国内では難しい場合があります。ただし、海外に目を向けるとさまざまな人材に出会うことができます。近年、多くの企業がコスト削減と人材確保の観点から、オフショア開発を選択しています。
ただし、コミュニケーション障壁や文化の違いなどの課題もあるため、適切なパートナーを選ぶことが重要です。
まとめ
C言語は1972年に開発されて以来、半世紀近くにわたってプログラミング言語の中で重要な位置を占め続けています。その汎用性の高さ、処理速度の速さ、ハードウェアを直接制御できる強みなどから、今もなお多くの重要なシステムで使われ続けています。メリット・デメリットを理解した上で活用することで、効率的なシステム開発が可能になります。
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