最終更新日:2025/05/01
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DX、デジタルトランスフォーメーションが加速する今日、企業の成長戦略を支えるITシステムの構築は、単なる業務効率化ではなく、事業存続の鍵となることも。
本記事では、システム構築の基本概念からプロセス、そしておすすめのオフショア開発企業まで、包括的に解説していきます。
システム開発と構築の違い
開発と構築はどちらも「作る」ということに関係のある言葉ですが、意味合いが異なります。まずはシステム構築とシステム開発それぞれの意味を確認しておきましょう。
システム構築とは
「構築(construction)」は「部品や要素を組み合わせて一つの体系を作り上げる」という意味合いがあります。「建物の構築」や「ネットワークの構築」などの例からわかるように、既存の要素を適切に配置・結合して全体を作り上げること、築き上げることを構築と言います。
システム構築とは、要件に基づいて、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどを総合的に組み合わせ、機能するシステム全体を作り上げることを指します。
建築に例えるなら、基礎工事から内装、電気・水道などのインフラ整備まで含めた建物全体を完成させるようなものです。
システム開発とは
「開発(development)」という言葉には、「何もないところから新しいものを作り出す」という意味があります。例えば「新薬開発」や「商品開発」などに代表されるような、新しい価値を作り出す創造的なプロセスです。
システム開発は主にソフトウェア部分の作成に焦点を当てたプロセスです。具体的なビジネスロジックをプログラミング言語で実装し、必要な機能を持ったアプリケーションを作成します。
システム開発ではアプリケーション機能の実装やユーザーインターフェースの設計、データベース連携などを行います。開発した機能は単体テストや結合テストを通じて検証されます。
建築に例えるなら、建物の中で使用する家具や設備を作るようなイメージです。そのため、システム開発はシステム構築の一部と言えます。
システム構築のプロセス
システム開発はシステム構築の一部であるため、システム構築のプロセスは一部、システム開発のプロセスとなります。それぞれの段階について解説します。
1. 要件定義
システム構築の第一歩は、ニーズを正確に理解し、具体的な要件として定義することです。まずは業務などの分析から始め、解決すべき課題を明確化します。
システムに求められる機能を洗い出すとともに、性能やセキュリティなどの非機能要件も定義します。また、プロジェクトのスコープと予算、スケジュールも設定します。
要件定義書は後続の工程のベースとなるため、具体的かつ測定可能な形で記述する明確な要件定義があってこそ、プロジェクトの成功確率が高まるのです。
要件定義については下記の記事も参考になりますのでご一読ください。
https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/requirement
2. 基本設計
基本設計とは要件定義のあとに行う設計の工程であり、システムの外側から見える部分を設計するため、外部設計とも言われます。機能一覧やシステム構成図、業務フロー、画面設計図などを設計書にまとめます。
この段階では主に、詳細な実装方法ではなく、「何を」「どのように」実現するかの大枠を決定します。このフェーズでの決定が後の開発プロセス全体に影響するため、十分な検討と関係者間の合意形成が重要となります。
3. 詳細設計
詳細設計は基本設計を受けて、実際の実装に必要な詳細を設計する段階です。機能設計とも言います。クラス図やモジュール構成図、テスト計画書などを設計書にまとめます。
詳細設計書は開発者が直接参照する資料となるため、曖昧さを排除し、具体的な実装方法を明記します。開発フェーズでの混乱や手戻りを防ぐために、この段階での綿密な設計が求められます。
4. 開発、テスト
設計に基づき、実際のプログラミングとテストを行う段階です。プログラミング作業を進めながら、完成した機能から順次テストを実施していきます。テストには下記のような種類があります。
- 運用テスト
- 機能テスト
- 性能テスト
- ユーザビリティテスト
- セキュリティテスト
- レグレッションテスト
品質を確保するため、テストは計画的かつ網羅的に実施する必要があります。テスト計画の立案と実行は、システムの信頼性を左右する重要なプロセスです。
テストについてはこちらの記事に詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。
https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/test-implementation/
5. リリース
開発したシステムを本番環境に展開し、実際の運用を開始する段階です。リリースに向けては移行計画を策定し、データ移行や本番環境へのデプロイを行います。同時に運用マニュアルの整備やユーザートレーニングも実施し、円滑な本番稼働に備えます。
リリースは一度きりではなく、段階的に行われることも多く、リスクを最小化する戦略が重要です。特に大規模なシステムでは、一部の機能から段階的にリリースするアプローチが取られることもあります。
6. 運用・保守
システムはリリースして終わりではなく、長期的なシステムの安定稼働と価値提供を支えるためにも運用と保守を継続的・計画的に行う必要があります。定期的な監視とパフォーマンス分析を行いながら、セキュリティアップデートの適用や障害対応、復旧対策を実施します。
また、ユーザーからのフィードバックを受けて小規模な機能改善を行ったり、ユーザーサポートを提供したりすることも運用・保守の重要な役割です。定期的なバックアップとテストも欠かせません。
オフショア開発によるシステム構築
近年、多くの企業がシステム構築にオフショア開発を活用しています。システム構築にオフショア開発を活用するメリットや注意点について解説します。
オフショア開発.comは、オフショア開発企業を無料でご紹介いたします。
コスト削減
オフショア開発の最大のメリットは、開発コストの大幅な削減です。オフショア開発先に選定される国は日本と比較して人件費が低く、同等の品質のシステムをより低コストで構築できます。
また、自社でシステム開発環境を整備する必要がなく、オフショアパートナーの既存リソースを活用できるため、インフラ投資も削減できます。
ただし、コミュニケーションコストやマネジメントコストが増加する可能性もあるため、総合的なコスト評価が重要です。表面的なコスト削減だけを追求すると、品質低下や納期遅延などのリスクが高まる可能性があることも認識しておくべきでしょう。
人材確保
日本国内では慢性的にIT人材不足が深刻化していますが、オフショア開発を活用すれば、海外の優秀な人材を確保することができます。また、タイムゾーンの違いを活かした24時間開発体制を構築することもできます。
グローバル人材の活用により、国内だけでは実現が難しいスピードと規模での開発が可能になりますが、文化や言語の違いによるコミュニケーション課題も考慮する必要があります。
自社専用の開発チーム
オフショア開発では人件費が国内に比べて安価なため、案件単位ではなく期間や工数ベースでの契約が可能です。これにより、契約期間中は自社の開発部門のように機能するチームを維持できます。同じメンバーが継続して開発に携わることで、自社のビジネスへの理解が深まり、開発効率と品質が向上していきます。
ただしチームを維持するにはそれなりのコストがかかるため、国内より人件費が安いとはいえ、コストの面で注意は必要です。
おすすめのオフショア開発企業3選
株式会社Eastgate Software Japan(ベトナム拠点) id="a-04"
株式会社Eastgate Software Japanはベトナムに拠点を有するソフトウェア開発会社です。ベトナム以外にもドイツやオーストラリアにも拠点を持ちます。
主要顧客にはFortune Global 500に名を連ねるドイツの大手電機メーカーであるシーメンス社など、世界15か国のさまざまな企業をクライアントに持ちます。
高いリピート率を誇り、AIをはじめとする最新技術と専門知識を活かして、中小企業から大規模企業まで、あらゆる企業に対応可能です。
さらに詳しいサービス内容はこちらで確認することができます。
https://www.offshore-kaihatsu.com/interview/eastgate-software-japan/
h3 VNEXT JAPAN株式会社(ベトナム拠点)
VNEXT JAPAN株式会社は、ベトナムのハノイとダナンに開発拠点を持つオフショア開発企業です。設立15年を超え、豊富な経験と幅広い開発実績を持っています。
AIやブロックチェーンなどの先端技術についても早いうちから対応しているため、様々な案件に対して対応が可能です。
さらに詳しいサービス内容はこちらで確認することができます。
https://www.offshore-kaihatsu.com/interview/vnext-japan-vol02/
株式会社アジアピクチャーズエンタテインメント(バングラデシュ拠点)
バングラデシュの大手システムインテグレーターであるSIMEC SYSTEM社と業務提携し、【Offpro】ブランドでバングラデシュオフショアシステム開発を販売しているのが株式会社アジアピクチャーズエンタテインメントです。
日本人ブリッジSEが所属しているため、日本語でやり取りできる体制が整っており、文化の違いなどを意識することなく、日本企業と取引する感覚で依頼することができます。
最短2週間でエンジニアの体制構築ができるため、短納期な開発にもおすすめです。
さらに詳しいサービス内容はこちらで確認することができます。
まとめ
システム構築は、ビジネス要件の理解から運用保守まで含む包括的なプロセスです。近年、日本ではIT人材の不足が慢性的な課題となっていますが、オフショア開発を活用することで、コスト削減や専門人材の確保といったメリットを享受できます。
成功するオフショア開発のためには、コミュニケーション体制の確立、明確な要件定義、適切なプロジェクト管理が不可欠です。これらの要素を適切に組み合わせることで、高品質なシステムを効率的に構築することが可能になります。
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