システム開発・アプリ開発の見積もりの見方|妥当性・見積り根拠を見極めるポイント

公開日:2021/07/26 最終更新日:2023/08/09

システム開発・アプリ開発の見積もりの見方|妥当性・見積り根拠を見極めるポイント

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システム開発・アプリ開発を考える際には、開発会社の選定基準の一つとしてまず見積もりを取るという方は多いでしょう。しかし、その見積もりの見方や価格の妥当性・根拠、その他リスクについてしっかりとチェックできているでしょうか?

 

このテキストでは、システムやアプリの開発における見積もりの見方や妥当性を判断するポイント、見積もりを安く抑えるコツなどをわかりやすく解説していきます。

INDEX

1. システム・アプリ開発における見積もりの重要性

2. システム・アプリ開発の見積もりの見方

3. 見積もりの妥当性を判断するポイント

4. 見積もりを安く抑えるためには…

5. まとめ

システム開発・アプリ開発における見積もりの重要性

|なぜ見積もりが重要か?

 

そもそも、なぜ見積もりは重要なのでしょうか?実は、プロジェクトを失敗させる原因の一つが見積もりミスなのです。

例えば、見積もりを詳細な仕様が定まっていない段階でとったり、見積もりに必要な項目が記載されていなかったりすると、その後増えた要素ごとに追加費用が発生してしまいます。 また、リスクやトラブル対応の工数、管理工数も見落としがちなポイントです。

 

どのようなシステムやアプリを作るのか、またどのような開発手法をとるのか、それによっても金額や相場感も変わってきます。複数社の見積もりを比較検討するのは誰もが行うことですが、額面だけでなく内容もしっかりチェックするようにしましょう。

システム・アプリ開発の見積もりの見方

|代表的な見積もり手法

 

見積もりの算出方法にも色々あります。代表的な4つを知っておきましょう。

 

・類推法

・積み上げ法

・パラメトリック法

・プライスツーウィン法

 

・類推法

 

過去の類似事例をもとに見積もりを算出するのが類推法です。似た事例の実績を参考として見積もるので、見積もり時点の工数や費用から大きく外れることは少ない見積もり方法です。とは言え、同じプロジェクトを見積もるわけではないため、ずれが全く生じないわけではありません。また、類似のプロジェクトがない新規システム開発の場合はこの方法が使えません。

 

・積み上げ法

 

積み上げ法はボトムアップ法とも言われる手法で、システムの完成形と構成要素から工数を算出。工数を積み上げて算出するので精度の高い見積もりを作成することができます。構成要素を出すことができないとこの方法は使えないため、要件が定まっていない段階の見積もりには向いていない算出方法です。

 

・パラメトリック法

 

FP法やLOC法、COCOMOなどの係数モデルを利用して見積もりを作成します。数学的な関数として算出するため、経験・知識不足の担当者であっても根拠が明確な見積もりを作成できるのが大きなメリットです。ただし、それぞれの係数モデルに必要な要素を用意できないと、この方法を使うことはできません。

 

・プライスツーウィン法

 

クライアントの予算に合わせた見積もりを作成するのがプライスツーウィン法です。予算ありきで作成するので予算オーバーの心配はありませんが、機能などの項目に漏れがあるとかえってコストがかさむ、という事態にもなりかねません。

 

|見積もりの項目

 

システム開発における見積もりの項目は下記の10項目です。その他、システム運用にあたって保守を任せる場合には保守費用も見積もりに含まれることもあります。

 

・要件定義費用

・設計費用

・テスト費用

・デザイン費用

・プロジェクト管理費用

・開発費

・導入費用

・導入支援費用

・購入費

・交通費

 

・要件定義費用

 

ヒアリングや要件定義書の作成など、システムの方向性や仕様を決定する、「要件定義」にかかる費用です。

要件定義についてはこちらの記事も参考になります。

* 参考記事:「要件定義とは?|開発の失敗を防ぐための基礎知識

 

・設計費用

 

サーバーなど、設計環境を整えるための費用です。

 

・デザイン費用

 

デザインのための費用です。使いやすいシステムを作るにはUIのデザインがとても重要です。

 

・プロジェクト管理費用

 

進行管理費用やディレクション費用とも言われる、プロジェクトの進行管理・調整のための費用です。

 

・開発費

 

システム開発にはエンジニアが必要不可欠です。開発費とはエンジニアの人件費や技術費用であり、多くは人月を単位とします。

 

・テスト費用

 

システム開発の終盤で行うテストにかかわる費用です。

 

・導入費用

 

システム納品の際に行う、初期設定などの費用です。

 

・導入支援費用

 

新しいシステムの導入にあたって、マニュアルの作成や説明会などを行うための費用です。

 

・購入費

 

システムの開発に必要なソフトウェアやサーバーなどを購入するための費用です。

 

・交通費

 

打ち合わせなどで発生する交通費です。

見積もりの妥当性を判断するポイント

|見積もり依頼のポイント

 

見積り依頼においては、複数社から見積もりを取得し、比較検討することが必要です。開発会社によってかなり金額が異なる場合もあるため、前項で説明した項目ごとに比較してみるとよいでしょう。

例えば開発費がかなり異なる場合は、工数をチェックしてみましょう。システム開発にどれくらいの期間を想定しているのか、各社の認識が異なる場合もあるかもしれません。

比較することで相場感や、項目ごとにどれくらいのコストが妥当なのかなどの判断がしやすくなります。

 

|どうすれば妥当性のある見積もりを取得できるのか?

 

よほどの悪徳企業でない限り、見積もりをぼったくるということはありませんが、それでも見積もりが高くなってしまうケースはあります。

見積もりが高くなってしまう要因としては、見積り依頼時の要件がしっかりと定まっていないことや、コミュニケーション不足があげられます。

要件が定まっていない状況では、開発会社がそれぞれ異なる解釈と想定で見積もりを出すため、金額にばらつきが出てしまいます。

開発期間や細かな仕様、前提条件などを明確に伝えることができれば、見積もりは妥当なものとなります。また、クライアント側からすると少しの仕様変更に見えていても、開発においてはかなり大幅な変更である場合もしばしばあります。コミュニケーションをしっかり取り、要件や根拠を明確にすることで、納得の行かない見積もりに不信感を抱くこともなくなるでしょう。

見積もりを安く抑えるためには…

見積もりを安く抑えたいなら、まずは要件を明確に伝えることが必要です。そのためには見積もりの担当者としっかりコミュニケーションし、要件を具体的なものとします。

すべてを一から開発するとなると期間もコストも大きくなるのは当たり前のことなので、システム構築にパッケージやASPを活用するのもコストを削減する一つの方法です。

 

その他にも、MVP開発によってまず必要最小限の機能を開発する方法や、オフショア開発を活用する方法もあります。

 

* 参考記事:「パッケージシステムとは?スクラッチ開発との比較

* 参考記事:「MVP開発とは?ビジネス上のメリット・デメリットと事例

 

|オフショア開発の活用でコストを削減

 

開発を海外の事業者に任せるオフショア開発はかなりのコストカットが実現できる手段として近年注目を集めています。コストカットだけでなく、国内の人材不足を解決する手段としても活用されています。

まとめ

システム開発をスタートさせるために重要な開発見積もり。まずは相見積もりを取るのが基本ですが、見積もりを取る際には開発会社とのコミュニケーションも大切です。コストカットを考えるのであればオフショア開発なども視野に入れて相見積もりを取ってみてはいかがでしょうか。

 

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