最終更新日:2025/04/10
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システムを導入する時にあがる選択肢はさまざまなものがありますが、「パッケージシステムにするか、スクラッチシステムにするか」は必ず検討する項目の一つでしょう。
このテキストではパッケージシステムを軸に、それぞれがどのようなものなのか、メリットデメリットや最新トレンドなどを詳しく解説していきます。
システムの導入方法
システムには主に2種類あり、それぞれ「スクラッチシステム」「パッケージシステム」と呼ばれています。近年はパッケージシステムをカスタマイズする方法も登場しており、用途に応じた自由度の高い選択が可能となっています。
パッケージシステムとは
パッケージシステムとは、あらかじめ汎用的に作られたソフトウェア製品(=パッケージ)を、自社の業務に合わせて導入・設定して使う方式です。
多くの企業で共通する業務に対応した機能を持っており、比較的短期間・低コストで導入できます。また、ベンダーが保守・アップデートを行うため、運用コストがかかりません。逆に、細かい業務や独自ルールへの対応には限界がある場合もあります。
スクラッチシステムとは
スクラッチシステムは、自社の業務や要件に合わせて、ゼロから独自に開発する方式です。オーダーメイドのようなものです。
独自業務や特殊な処理にも柔軟に対応でき、自社業務にぴったり合ったシステムが作れることが特徴です。ただし、開発に時間とコストがかかる点と保守・運用も自社で行うか、開発ベンダーに依頼が必要となります。
パッケージシステムのメリット・デメリット
パッケージシステムのメリット
パッケージシステムのメリットは、スクラッチシステムに比べて初期費用が安価であることと、すでに完成しているシステムなので、動作する環境さえあれば導入や運用までの期間が短期間で済むことがあげられます。
他にも以下のようなメリットが挙げられます。
導入期間が短い | 既製品のため、要件が合えばすぐに導入できる。 |
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コストを抑えやすい | 一から作るスクラッチ開発に比べ、初期費用・開発費が少ない。 |
信頼性が高い | 多くの企業で利用されている実績があり、安定している。 |
アップデート・保守が楽 | ベンダーが定期的にバージョンアップ・セキュリティ対応をしてくれる。 |
サポートが充実している | マニュアルやFAQ、ユーザーコミュニティ、コールセンターなどが整っている。 |
法制度対応が早い | 税制改正などにもスピーディに対応されることが多い。 |
パッケージシステムのデメリット
すでにパッケージ化されているシステムなので、カスタマイズバージョンであってもスクラッチシステムほどの自由度がないことがデメリットの一つです。
また、パッケージシステムは標準的な業務に対して作られていることが多いため、独自性の高い業務や、複雑すぎる業務には対応できない可能性もあります。システムによってはランニングコストがかさんだり、カスタマイズすることで初期費用も高額になったり、というケースもあります。
自社業務に完全には合わないことがある | 標準機能が中心のため、業務フローをシステムに合わせる必要がある場合も。 |
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カスタマイズに制限がある | 柔軟な変更が難しいことがあり、大幅な仕様変更には向かない。 |
機能が多すぎて使いにくいことも | 全機能を使い切れず、シンプルな業務にはオーバースペックになる場合も。 |
ベンダーロックインのリスク | 特定のベンダーに依存し、将来的な変更や乗り換えが難しいこともある。 |
ライセンス費用が継続的に発生 | サブスクリプション型など、運用費用が長期的にかかることも。 |
スクラッチシステムのメリット・デメリット
スクラッチシステムのメリット
スクラッチシステムのメリットは、自社の業務や要件に合わせて、ゼロから独自に開発出来る(オーダーメイド)ことです。「他社と同じやり方では勝てない」「自社の業務は独特」という企業にとっては大きな武器になります。
自社業務に完全フィット | 独自業務や特殊なルールに合わせたシステムをゼロから設計できる。業務効率が最大化しやすい。 |
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柔軟なカスタマイズが可能 | 開発中・運用中も仕様変更や追加機能が柔軟に対応できる。 |
デザインや操作性の自由度が高い | ユーザーインターフェースや機能設計も思い通りに設計可能。使いやすさを追求できる。 |
自社の強みをシステムに組み込める | 他社と差別化された業務フローやノウハウをそのまま反映可能。競争力の強化につながる。 |
不要な機能がない | 必要な機能だけを搭載するため、シンプルかつ軽量な設計が可能。 |
オフショア開発で費用を抑えることで、スクラッチ開発の良いとこどりが可能に!
スクラッチシステムのデメリット
スクラッチシステムのデメリットは、開発に時間がかかってしまうことです。それに伴い、開発費用も高額になります。
開発に時間がかかる | 要件定義〜設計〜開発〜テストとステップが多く、数ヶ月〜1年以上かかることも。 |
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初期費用が高額になりやすい | 開発工数が多いため、パッケージよりも初期投資が大きくなる傾向。 |
保守・運用の負担が大きい | 自社または開発ベンダーで保守・アップデートを行う必要がある。属人化のリスクも。 |
法改正や環境変化に弱い | 税制・法制度・セキュリティなどの変化に都度対応しなければならない。対応が遅れるリスクも。 |
開発ベンダーへの依存リスク | 内部仕様が複雑になりがちで、開発会社が変わると引き継ぎが難航することも。 |
パッケージシステム検討〜導入の流れは?
パッケージシステムの検討から導入までのおおまかな流れは下記のとおりです。
1. 必要機能の洗い出し
まずシステムで何をしたいのかを洗い出す必要があります。現在行っている業務とシステム化したい業務を書き出し、内容や課題を整理することで必要な機能が明確になります。この時、機能の必要度に優先順位をつけておくといいでしょう。
2. 見積もり〜業者の選定
複数の業者から見積もりを取り、価格を比較します。予算の算出は見積り依頼前に行うケースと依頼後に相場感を踏まえて行うケースがあります。
見積もりを取ったら、業者の選定を行います。
パッケージシステムを活用した開発は「オフショア開発」がおすすめです。
3. 導入
契約が済んだら、パッケージシステムの場合は環境が整い次第、導入・運用が開始されます。
スクラッチの場合は開発完成後の運用開始となります。
パッケージシステム導入時の注意点は?
パッケージシステムは、前述したとおり既製品ですので、すでに機能が定まっているシステムです。カスタマイズの自由度もスクラッチに比べて低いため、これまでの業務フローと合わない部分が出てくるかもしれません。
これまでシステムを使っていなかったり、既存のシステムを利用していたりする場合には導入後に現場から不満や困惑の声が出ることもあるでしょう。
そのため、既存システムがある場合は移行期間を取る必要がありますし、新システムに合わせて業務フローを変更したり、使い方の講習を行ったり、さまざま準備が必要となります。
まとめ
パッケージシステムとスクラッチシステムはどちらがいい悪いではなく、それぞれに長所と短所があります。効率化したい業務や実現したい機能、予算などに合わせてもっとも適したものを選びましょう。
スクラッチシステムはパッケージシステムに対して高額ですが、開発コストはオフショア開発などを活用することでコスト削減が可能となります。SAPやSalesforce、Kintone、Oracle…とオフショア開発企業でもそれぞれ対応ができます。
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