Go言語(golang)とは?できること、将来性、アプリ事例を紹介

公開日:2022/05/11 最終更新日:2023/09/25

Go言語(golang)とは?できること、将来性、アプリ事例を紹介

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プログラミング言語の歴史は意外と古く、世界初の高水準プログラミング言語は1950年代に生まれたFORTRANだと言われていますが、それより前、12世紀ごろにはプログラミングに近い考え方で作られた装置がすでにあったようです。

 

その後、1970年代にはB言語、1980年代にはC言語やPerlが生まれ、1990年代にはPythonや日本製プログラミング言語として有名なRubyが誕生します。

 

今回解説するGo言語は、2009年にGoogleによって開発されたプログラミング言語であり、AI開発などへの活用が期待されている言語です。

 

このテキストでは今だから知っておきたいGo言語の基礎知識から、メリットやデメリット、Go言語で開発されたサービスなどの実例を交えて、この言語の将来性についても詳しく解説していきます。

INDEX

1. Go言語とは?

2. Go言語の特徴

3. Go言語でできること

4. Go言語のメリット・デメリット

5. Go言語で開発されたアプリ・サービス

6. Go言語の将来性

Go言語とは?

|Go言語とは?

 

先に少し説明しましたが、Go言語は2009年に誕生したオープンソースのプログラミング言語であり、Googleが開発したプログラミング言語です。「Go」だけだと誤認や誤読の可能性があるため、「Go言語」「Golang」と表記されることが一般的です。

 

ビズリーチの調査においては、プログラミング言語年収ランキングでGo言語が1位に輝いたこともありますし、2020年にアメリカのHackerRank社による調査において、「エンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング」1位になっており、世界的にも人気の高い言語と言えます。

 

Go言語はC言語やJavaに近い文法を持っています。Go言語の開発にはC言語を設計した世界的エンジニア、ケネス・レイン・トンプソン氏や、UNIX開発者ロバート・C・パイク氏などが関わっています。

Go言語はGoogleが「プログラミングをもっと手軽なものにしたい」という目的のもとに開発した言語であるため、C言語の構文を踏襲しつつも、さらに簡潔な記述でコーディングできるように設計されている、「シンプルでわかりやすいプログラミング言語」です。

 

Go言語の特徴については、後ほど詳しく解説します。

 

|プログラミング言語の歴史

 

冒頭でも述べたとおり、世界で初めての高水準プログラミング言語「FORTRAN」は1950年代に登場しており、多くのプログラミング言語が生まれました。プログラミング言語は一つのものに統一されたり、統一された一つの言語が次の代に移行したりするわけではなく、用途に応じて多くのプログラミング言語が生まれてきました。

歴史の古いプログラミング言語でも、今も使われているものが数多くあります。FORTRANも主流の座は明け渡したものの、現在もスーパーコンピューターなどに使われている現役のプログラミング言語です。

 

言語の数は年々増え続けており、FORTRANやCOBOLのように古くからある言語も使われ続けています。言語ごとに特徴が異なり、何を開発するかによって言語を使い分けることで開発の効率が上がるためです。

 

では、Go言語にはどのような特徴があるのでしょうか?次の項でさらに理解を深めていきましょう。

Go言語の特徴

|Go言語の特徴

 

Go言語は先述したとおり、とにかくシンプルでわかりやすいため、習得が容易で始めやすいのが大きな特徴です。

実行や記述、プログラムの確認も高速で行うことができ、静的プログラミング言語であるにもかかわらず、動的プログラミング言語に近い感覚で記述を行うことが可能です。

実行前にバグやエラーの発見がしやすい静的プログラミング言語と、簡単にコードが記述できる動的プログラミング言語のいいところを併せ持っている、という特徴もあります。

 

Go言語はYouTubeやメルカリ、クックパッドなど、多くのサービスで利用されています。

 

|他のプログラミング言語との違い

 

Go言語において繰り返し処理を行う命令文はfor文のみであり、forしか使えないことでコードの統一がされるというのが他の言語にはないGo言語の特徴の一つと言えるでしょう。

 

Go言語における変数宣言では毎回型を指定する必要がありません。型が明らかな場合には省略が可能です。これがGo言語が静的プログラミング言語でありながら動的プログラミング言語のように記述できるという点です。

 

シンプルであるが故に、他の言語に比べて機能が最小限におさえられているのもGo言語が他の言語と異なる点でしょう。

Go言語でできること

Webサーバーの構築やネイティブアプリの開発、ドローンやロボット・IoT開発、マイクロサービスの開発など、Go言語はさまざまな開発に向いており、実際に利用されています。

 

プログラミング言語そのものを作ることができるのもGo言語の特徴であり、当初はC言語で作られていたGo言語ですが、今はGo言語自身がGo言語で作られているのだとか。

 

|Webサーバー構築

 

他言語でWebサーバーを構築する際にはApatchなどが必要となりますが、Go言語の場合は不要です。パッケージを使えば簡単にサーバーを構築することが可能で、サーバーからサービスまでをGo言語で統一することができます。

 

|ネイティブアプリ開発

 

Go言語はAndroidにもiOSにも対応しているため、スマートフォン用のネイティブアプリ開発に利用されています。パッケージを使えばWeb用・アプリ用とそれぞれに合わせて書き方を変える必要もありません。

 

|ドローンやロボット・IoT開発

 

ロボティクス・IoT向けのフレームワーク「Gobot」を使えば、ドローンやロボットの開発にも使えるのがGo言語です。このフレームワークには複数のデバイスがネットワークを通じて相互通信できる機能なども備えられているため、IoT開発にも利用することができます。

 

|マイクロサービスの開発

 

複数の小規模なサービスを組み合わせることで一つの大きなアプリケーションを構成していくというソフトウェア開発の手法を「マイクロサービス」と言います。マイクロサービスは大規模なアプリケーションの一部でありながらそれぞれ自律して機能するというのも大きな特徴であり、例えばNetflixはエラーが発生しても全体に影響が及ぶことを避けるため、この手法をとっています。

複数の小規模サービスが連携しあうマイクロサービスは多数のアクセスが生じるため、パフォーマンスの高いGo言語での開発が向いています。

 

|その他

 

その他にもGo言語の「環境に左右されず、誰でも使いやすい容易な記述」という特徴はCLIやAPI開発などにも向いています。

Go言語のメリット・デメリット

プログラミング言語が数多くありながら統一されないのは、用途などに応じて適切なプログラミング言語が異なるからです。例えば紙を切る道具にカッターやはさみ、裁断機などが存在するように、紙が何枚か、どのように切りたいかによって使う道具は変わってきますよね。プログラミング言語もそれと同じで、どういった開発を行うかによって使用する言語が変わってくるのです。

 

そして、全てのプログラミング言語に向き不向きがあるということは、それぞれメリットとデメリットがあるということでもあります。ではGo言語のメリット・デメリットはどのようなものなのでしょうか。

 

|Go言語のメリット

 

Go言語のメリットは主に4つあります。「初心者でも使いやすい」こと、「処理が速く並行・並列処理が得意」であること、「ライブラリが豊富」であることと、「安全性が高い」ことです。

 

・初心者でも使いやすい

 

Go言語の最大の特徴であり大きなメリットが、「シンプルでわかりやすい」ということ。少ないコードでさまざまな機能を実装できるGo言語は、初心者にも扱いやすい言語と言えます。C言語の文法を踏襲しているため、C言語を利用しているエンジニアにも使いやすく、初心者からベテランまで、多くの人が扱いやすいというメリットがあります。

 

・処理が速く並行・並列処理が得意

 

直接機械語に変換できるGo言語は処理速度が速いのが大きな特徴であり、CPUを効率よく使うことができるため、並列・並行処理が得意です。これまでのWebサービスでよく使われたPHPは並行処理が苦手なため、これに代わる言語として近年利用されることも増えているようです。

 

・ライブラリが豊富

 

便利なプログラムがまとめて公開されているライブラリは、開発の強い味方です。Go言語はこのライブラリが豊富なため、多くの機能を簡単に追加することができます。

 

・安全性が高い

 

型宣言を行う必要があるため、Go言語はメモリの安全性が高いと言われています。また、先述したforなど、シンプルな記述が多いために開発者によって記述のクセが出にくくブレが少ないのがGo言語のメリットの一つです。

 

|Go言語のデメリット

 

Go言語のデメリットはその特性である「シンプルであること」と、「新しい言語であること」から生じるものです。後者は今後解消していく可能性がありますが、前者はGo言語の特性上、今後も変化することは基本的にないと思われます。

 

Go言語の主なデメリットは「情報が少ない」ことや、「使えない機能がある」ことの2つです。

 

・情報が少ない

 

Go言語は歴史の浅い言語であるため、古くからある言語と比べると書籍や導入例などがまだまだ少ないのが現状です。何かを調べる際に欲しい情報を得ることができない、ということも多いかもしれません。

これは時間と共に解決していく問題だと思われますが、現状では情報が少ないことがデメリットの一つとなっています。

 

・使えない機能がある

 

プログラミング環境をより効率的にするため、「シンプルでわかりやすい言語」として開発されたGo言語は、その開発段階で切り捨てた機能も数多くあります。例えば「Generics」や「例外処理」「コードの継承」「3項演算子」などがGo言語にない機能の代表例です。

Go言語でできること、メリットデメリット紹介

Go言語で開発されたアプリ・サービス

Go言語はアプリやロボットなど、さまざまな開発に使える言語です。実際にどのようなサービスに利用されているのか、この項ではGo言語開発の実例をご紹介します。

 

|アプリ

 

フリマアプリ「メルカリ」や、ニュースアプリの「Gunosy」といった有名アプリケーションにGo言語が利用されています。

 

|Webサーバー・Webサービス

 

先にも触れましたが、「YouTube」や「クックパッド」などがGo言語を採用しています。

 

|ドローン

 

いずれも中国の企業であるRyze Tech社のドローン「Tello」やHoly Stone Toys社の「HS200」にGo言語が使用されています。

 

|ロボット

 

家族型ロボット「LOVOT」を開発したロボットベンチャーであるGROOVE X社は、日本のロボットベンチャーとしては過去最高となる100億円を調達したことで大きな話題となった企業です。この「LOVOT」の開発にもGo言語が使われており、半数のソフトがGo言語で作られています。

Go言語の将来性

高速インターネットが当たり前となり、動画なども短い尺が好まれるようになった現代において、Webサービスはスピードが命です。レスポンスの遅いサービスはそれだけでユーザーにそっぽを向かれてしまいます。

 

その点、処理速度の速いGo言語は時代にフィットしたプログラミング言語と言えるでしょう。当初は人気のなかったGo言語はアップデートによって使いやすさが格段にアップし、一気に普及するようになりました。時代にあわせた使いやすさを求めて、今後もさらなるアップデートの可能性もあります。

 

前述したように並列処理が苦手なPHPに取って代わっている状況であり、近年の開発トレンドであるマイクロサービスの開発にも向いているGo言語はGoogleが開発していることもあり、Googleのコンテンツとも相性が抜群であることから、将来性もじゅうぶん、今後も活躍していく言語だと考えられます。

 

ただし、現状ではまだまだGo言語に精通したエンジニアは不足しており、そのため報酬も高単価になってしまう傾向にあります。

まとめ

Googleが開発した、シンプルでわかりやすいプログラミング言語「Go言語」は、そのわかりやすさと処理速度の速さなどから、一気に広がりを見せつつあります。年収ランキングや人気ランキングでも上位に位置しており、注目度の高さがうかがえます。

 

とはいえ、まだまだ歴史の浅い言語であるため、エンジニアが少ないといった面も。特に国内でGo言語に精通したエンジニアを探そうとしても、慢性的なIT人材不足に悩む我が国ではなかなか見つからないのが現実です。

 

海外に目を向ければ、国内に限って探すよりもより多くの優秀な人材に出会えますし、国や地域によっては国内よりもコストを抑えた開発が可能です。

 

オフショア開発を視野に入れて、Go言語を使用した開発を行ってみてはいかがでしょうか。オフショア開発.comでは無料のコンシェルジュにご相談いただければ、開発のお悩みをオフショア開発で解決する手立てをお探しします。ぜひお気軽にご相談ください。

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オフショア開発.com 編集部

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