最終更新日:2025/06/25

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受託開発とは | 受託開発を発注する際のポイントを解説

「自社でシステム開発するべき?それとも外部に委託する方が良い?」
システム開発の方法を検討する際、多くの企業がこの選択に頭を悩ませます。

外部委託の一種である「受託開発」は専門的な知識や技術を持つ企業にシステム開発を依頼する方法です。本テキストでは、受託開発の基礎知識や他の開発形態との違い、発注する際の重要なポイントまでを徹底解説します。

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受託開発とは

受託開発とは、委託元からの依頼を受けて、外部の委託先がシステムやソフトウェアを開発して納品する契約形態のことです。委託元の要望に合わせてオーダーメイドでシステムを開発するため、業務に最適化されたシステムを構築できるのが特徴です。

受託開発は「請負契約」という形態で、成果物(完成したシステム)に対して報酬が支払われます。

請負契約の契約形態で行う開発を請負開発と呼ぶこともあります。請負開発については下記のテキストも参考になりますのでご一読ください。

https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/what-is-contract-development/

自社開発

自社開発とは、企業が自社のリソースを使ってシステムやソフトウェアを開発することです。外部に依頼せず、自社だけで完結させます。

自社開発のメリットは、自社のサービスや商品、社内事情に詳しい自社の従業員が担当するため、ニーズに完全に合致したシステムを作りやすいことや、機能の追加や変更を柔軟に行いやすいことです。

一方、開発に必要な技術者の確保や育成にコストがかかったり、最新技術への対応が難しいケースがあったりすることがデメリットとして挙げられます。

SES

SES(System Engineering Service)とは、システム開発や保守運用などにおいて技術者が特定の業務への技術力や労働力を提供するという契約であり、いわゆる「準委任契約」に該当します。この契約形態では成果物に対しては対価が発生しないため、成果物を納品する義務も生じません。あくまでも技術者の技術力・労働力の提供に対して対価が発生します。

また、この契約に基づいて常駐という形でエンジニアを客先へと派遣する企業をSES企業と呼びます。

SESについては下記のテキストに詳しく解説しています。

https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/what-ses/

SIer

SIer(System Integrator)とは和製英語であり、海外では略さずにSystem Integrator(システムインテグレーター)と言います。システムインテグレーションを行う者、または企業という意味ですが、システムインテグレーションとはシステムの企画・設計・開発・導入・運用保守などを請け負うサービスや事業を指します。

SIerについては下記のテキストも合わせてご覧ください。

https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/sier/

受託開発を発注する際のメリット

受託開発にはさまざまなメリットがありますが、ここでは主なメリットである「開発コスト・期間の短縮」と「予算管理の充実」について解説します。

開発コスト・期間の短縮

受託開発を請け負う企業は経験豊富な人材や多くの開発実績を持っているため、効率的な開発プロセスが確立されており、開発をスムーズに進めることができます。

自社で一から開発を始める場合は、どうしても人材の確保や育成にコストがかかってしまいますが、開発を外部に依頼することでそのコストを抑えることが可能です。

開発コストの削減は「オフショア開発」がおすすめです。

予算管理の充実

受託開発は請負契約のため、事前に開発費用が明確に定められます。追加でコストがかかることはないため、予算計画が立てやすく、予期せぬコスト増加のリスクを軽減できるのが大きなメリットです。

受託開発を発注する際のデメリット

受託開発にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。発注を検討する際にはこれらのデメリットも理解しておくことが重要です。

開発会社への依存

外部に開発を依頼するため、どうしても自社の従業員を育成する機会は失われます。また、システムの仕様や設計に関する知識が開発会社側に集中するため、メンテナンスや機能追加の際に、同じ会社に依頼せざるを得なくなったり、別の会社に依頼する際に余計なコストがかかってしまったり、といった可能性があります。

受託開発を行う際には、開発過程での情報共有や、ドキュメント作成を徹底することが重要です。また、契約時に知的財産権の帰属や、ソースコードの提供条件などを明確にしておくことも大切です。

セキュリティリスク

外部に開発を依頼する際には、業務フローや社内の機密情報などを開発会社に開示する必要があり、情報漏洩のリスクが発生します。競合他社との差別化につながる情報や、個人情報を含むデータを扱う場合は特に注意が必要です。

このようなセキュリティリスクを軽減するためには、開発会社との間で適切な機密保持契約(NDA)を締結することが重要です。また、開発会社のセキュリティ対策やコンプライアンス体制を事前に確認しておきましょう。必要最小限の情報のみを共有し、重要なデータへのアクセス権限を制限するなどの対策も有効です。

受託開発会社の選び方

受託開発会社を選ぶ際には、いくつかのポイントがありますが、中でも最も重要な「開発実績」「コミュニケーション能力」「費用」について解説します。

①開発実績

受託開発会社を選ぶ際の重要なポイントの一つが開発実績です。

実績を確認する際には、会社のWebサイトやポートフォリオを確認し、自社のプロジェクトと規模や業種が似ている案件を手がけているかをチェックしましょう。また、可能であれば、過去のクライアントからの評価や口コミも参考にすると良いでしょう。

「オフショア開発」の開発実績を確認する。

②コミュニケーション能力

外部に開発を依頼するのですから、要件を正確に理解し、プロジェクトの進捗状況を適切に共有できる、コミュニケーション能力の高い会社を選ぶべきです。

初期の打ち合わせや見積もり段階での対応を見ることで、ある程度コミュニケーション能力を判断することができるでしょう。質問に対する回答の速さや内容の質、説明のわかりやすさなどがポイントになります。

また、開発中の問題や課題に対して、迅速かつ適切に対応できる体制が整っているかも確認しましょう。定期的な進捗報告会議の開催や、問題発生時の対応プロセスなどを事前に確認しておくことが重要です。

③費用

受託開発会社を選ぶ際には費用も重要な判断基準です。もちろん安いに越したことはありませんが、ただ安いだけの会社を選ぶのではなく、提供されるサービスの内容と費用のバランスを考慮するべきでしょう。

見積もりを依頼する際には、開発費用だけでなく、保守・運用費用も含めた総合的なコストを確認しましょう。また、追加開発や仕様変更が発生した場合の費用についても事前に確認しておくことが重要です。

複数の会社から見積もりを取得し、費用と提供内容を比較することで、適正な価格を判断しやすくなります。極端に安い見積もりを提示する会社は、品質やサポート体制に問題がある可能性もあるため注意が必要です。

受託開発の費用相場はプロジェクトによって異なりますが、シンプルなアプリやWebシステムで数百万円、企業向けのシステムや中規模のアプリ開発で一千万円以上、複雑な機能を持つシステムやアプリなど、大規模な開発であれば数千万円かかるのが一般的です。

コスト削減には、オフショア開発を活用するのも一つの手です。

まとめ

受託開発は、自社にない技術力やリソースを活用してシステム開発を行うための有効な手段ですが、プロジェクトを成功させるためには要件に合った開発会社を選ぶことが重要です。開発実績、コミュニケーション能力、費用のバランスを考慮し、信頼できるパートナーを選びましょう。また、契約前に十分な打ち合わせを行い、双方の認識のずれを防ぐことも大切です。

開発コストの低減という視点であれば、オフショア開発も視野に入れると良いでしょう。国内ではIT人材が慢性的に不足しているため、海外に目を向けるのも選択肢の一つです。

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