最終更新日:2025/09/18
INDEX
システム開発やシステム構築において、エンジニアをはじめとする専門人材の確保は企業にとって重要な課題となっています。国内のIT人材不足が深刻化する中、高度な技術力と豊富なリソースを求めて、海外のIT企業に開発を委託するオフショア開発が注目されています。
本記事では、システム構築の基本的な流れから、なぜオフショア開発が有効な選択肢となるのか、成功させるためのポイントまでを詳しく解説します。
システム構築とは
システム構築とは、企業の業務課題を解決するITシステムを、設計から運用可能な状態まで作り上げることを指します。
システムの開発だけでなく、ハードウェアの選定やネットワーク環境の整備、既存システムとの連携など、システム構築にはシステムを実際に稼働させるために必要なすべての要素が含まれます。システム開発がプログラミングやテストまでを指すのに対し、システム構築はその後の運用環境構築まで含むため、より広範な概念として使われますが、実務上は同義として扱われることも多くあります。
システム開発の一般的な流れ
実務上は同義として扱われることの多いシステム構築とシステム開発ですが、開発から保守までは一般的に、「要件定義」「設計」「プログラミング」「テスト」「リリース・保守」という流れになります。
システム開発工程それぞれについては下記の記事に詳細に記載がありますので、こちらもあわせてご確認ください。
https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/system-development-process/
1.要件定義
要件定義とはクライアントの要望をまとめ、実装する機能や性能を決定することです。どのような目的で、どのようなシステムを求めているのかをクライアントから詳細に聞き取る必要があります。ヒアリング時点で積極的な意見交換を行います。
ヒアリングでまとめた要望をもとに、どんな機能が必要かを洗い出し、要件定義書に開発の目的や実装する機能などをまとめていきます。
要件定義については下記の記事に詳しく記載がありますのでぜひご一読ください。
https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/requirement
2.設計
要件定義書をもとに、システムを設計します。設計には外部設計（基本設計）と内部設計（詳細設計）があり、それぞれ基本設計書と詳細設計書を作成します。
外部設計はシステムがユーザーから見てどのような動きをするかを設計することで、内部設計は外部設計で決定した内容をどう実現するかの設計です。
3.プログラミング
設計が完了したら設計書をもとにプログラミングを行い、システムを作っていきます。複数のプログラマーが分担して作業を進めることが一般的で、定められた仕様通りに動作するよう実装します。
4.テスト
テスト工程では、作成されたプログラムが仕様通りに動作するかを検証します。単体テスト、結合テスト、システムテスト、運用テストなどの段階的なテストを実施します。
単体テストでは、各モジュールが個別に正しく動作するかを確認します。結合テストは、複数のモジュールが連携して正しく動作するかを検証し、モジュール間のデータの受け渡しやインターフェースの動作を確認します。
システムテストでは、システム全体が設計通りに動作するかを確認します。運用テストは、実際の運用環境でシステムが安定して動作するかを確認するテストです。
開発におけるテストについては、下記の記事にも詳しく書かれています。
https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/general/what-uat/
5.リリース・保守
テストが完了したシステムは本番環境への導入作業、既存データの移行、ユーザー向けの操作研修などを実施し、業務での利用を開始します。
保守・メンテナンスは、システムリリース後の安定稼働を維持するためにとても重要です。バグの修正、機能改善、セキュリティパッチの適用などを継続的に行います。
システム構築の課題と費用相場
システム構築の課題として深刻なものには、人手不足とエンジニア単価の高騰が挙げられます。システム開発の種類と費用相場についてもあわせて解説します。
人手不足とエンジニア単価の高騰
経済産業省によると日本国内では2030年までに最大79万人のIT人材が不足すると予測されています。エンジニアの獲得競争が激化し、人件費の上昇が続いており、特に高度なスキルを持つシニアエンジニアや専門性の高い分野のエンジニアは慢性的に不足しています。
システム開発の費用はほぼ人件費であり、人手不足とエンジニア単価の高騰はシステム構築を検討する企業にとって大きな課題となっています。
国内開発の費用感
システムの開発における費用は、システムの規模や開発方法、委託先企業によって変わってきます。小規模開発であれば数十万円から、開発規模が大きければ大きいほど必要な人員も増え、プロジェクト期間も長期化します。大規模になると数千万を超える費用が必要となることもあります。
【解決策】オフショア開発という選択肢
国内でのシステム構築が直面している人材不足と費用高騰の問題を解決する有効な選択肢の一つがオフショア開発です。海外の優秀なIT人材を活用することで、コスト面とリソース面、両方の課題に対応できます。
開発コストの削減
オフショア開発の人月単価相場は国によって異なりますが、一般的に1割から3割ほどのコストカットが見込めると言われています。オフショア開発の委託先として人気の国はベトナムと中国ですが、その他にもインドやミャンマー、フィリピンなども人気です。
下記の記事では、オフショア開発委託先として人気の6カ国の単価比較をしていますので、ぜひ参考になさってください。
豊富なエンジニアリソース
例えば、オフショア開発委託先として人気の高いベトナムは国策としてIT教育に注力しており、ホーチミン工科大学やハノイ工科大学などから毎年多数のエンジニアが輩出されています。
海外に目を向けると、多くのオフショア開発企業がAI、機械学習、ブロックチェーンなどの先端技術に対応しており、国内に比べて必要な人材を容易に確保しやすいことがわかります。
オフショア開発.comでは専門コンシェルジュによる無料相談をご提供しています。オフショア開発委託先をお探しの際はぜひご相談ください。
オフショア開発を成功させるポイント
以下の2つのポイントを押さえることで、オフショア開発の成功確率を高めることができます。
要件定義をしっかり固める
開発においては明確な要件定義が不可欠ですが、オフショア開発においては言語や文化が異なり、曖昧な指示は誤解を生む原因となるため、特に要件定義書を作成する際には注意が必要です。
機能要件に加え、画面遷移図、データフロー図、業務フローなどを視覚的に表現します。必須機能と追加機能の優先順位を明確にし、定期的なレビューとフィードバックの仕組みを構築することで、問題を早期に発見・修正できます。
コミュニケーションをとれる企業を選定する
開発委託先との意思疎通がうまくいかないと、開発工数や期間が延びてしまい、コストが増加します。委託先の選定時には日本語対応能力、ブリッジSEの有無、プロジェクト管理体制をチェックしましょう。ブリッジSEは海外チームと日本の橋渡し役として、技術力に加え、両国の文化を理解する役割を持つエンジニアです。
また、定期的なWeb会議、チャットツールの活用、進捗報告のルール化など、コミュニケーション方法を事前に決めておくことで、プロジェクトをスムーズに進めることができます。
まとめ
システム構築は、要件定義から保守まで多くの工程を経て実現される複雑なプロジェクトです。国内では慢性的なIT人材の不足と人件費の高騰により、多くの企業がシステム構築のコストに悩んでいます。
オフショア開発は、これらの課題を解決する有効な選択肢の一つです。適切なパートナー企業を選定することで、コストを抑えながら高品質なシステムを実現できます。
オフショアを検討するにあたっては、単にコスト削減だけを追求するのではなく、技術力とコミュニケーション能力を兼ね備えた、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。
オフショア開発.comでは、豊富な実績と専門知識を持つオフショア開発企業の選定をサポートし、プロジェクトの成功に向けた最適なマッチングを提供しています。
また、専門コンシェルジュによる無料相談をご提供しています。ご相談からご紹介まで、すべて無料でご利用いただけます。ご発注になった際の成約手数料もございませんので、安心してご利用ください。
