最終更新日:2026/08/28
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2025年のオフショア開発白書で際立っているのが、委託先国の勢力図に起きている変化です。
オフショア開発の委託先として、真っ先に名前が挙がるのは今もベトナムです。その人気は健在ですが、2位・3位の顔ぶれには小さくない変化が起きています。本記事では、白書のデータをもとに、国ごとの強み・弱みと、発注企業がどう向き合うべきかを紐解いていきます。
ベトナム一強はまだ続くのか—委託先国の勢力図が動き始めている
圧倒的な支持を集め続けるベトナムの強さの理由
オフショア開発の委託先として、依然もっとも多く選ばれているのはベトナムです。親日的な国民性や勤勉さ、地理的な近さは、今のベトナムにもそのまま当てはまります。加えて、AIやブロックチェーンといった高度領域に対応できるエンジニアが増え、開発拠点もハノイ・ホーチミンから地方都市へと広がりつつあります。
一方で、現地の人件費上昇や円安の影響により、かつてのような圧倒的な安さは薄れてきているのも事実です。単価の安さだけで「とりあえずベトナム」と決めるのではなく、技術力や体制の充実度まで含めて判断する視点が求められています。
存在感を落としつつも簡単には手放せない中国という選択肢
2位につけている中国は、発注割合を徐々に減らしています。カントリーリスクへの懸念や単価上昇が主な要因で、他国へシフトする企業が増えているのも事実です。
それでも、BATH(バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ)に代表される企業群が示す通り、中国の技術力は今も高い水準を保っています。特定の高度領域では、他国では対応が難しい案件を任せられるケースも少なくありません。撤退というより、グローバル開発体制の一部として中国を位置づけ直す企業も増えてきています。
コスト優位性で急浮上するインドの伸びしろ
3位につけたインドは、単価の下落が追い風となり、コスト面での評価が高まっている国です。プログラマーだけでなく、シニアエンジニアやブリッジSE、PMまで単価が軓並み下がっており、これまで割高なイメージのあったインドが、選択肢として現実味を帯びてきました。
ただ、品質や納期がどこまで安定しているかは、契約前にしっかり見極めておきたいところです。単価の魅力だけで飛びつくのではなく、実績のあるパートナーを慎重に選ぶ姿勢が欠かせません。
国を選ぶ基準は「安さ」から「相性」へ
案件の技術領域によって向き・不向きが分かれる時代
国ごとに得意分野は違います。ここを見誤ると、コストをかけたわりに満足のいく結果が得られないことも珍しくありません。品質の安定感でいえば、ベトナムや中国に強みがあります。フィリピンやインドは、コストの面で魅力を感じている企業が多いようです。
一方で、バングラデシュのように職種によって実力差が大きい国もあります。ブリッジSEは高水準を維持している一方、シニアエンジニアの単価は大きく下落しており、任せる工程を見極める必要がありそうです。「安いから」「有名だから」という理由だけで選んでしまうと、案件のフェーズや求める技術水準とズレが生じやすくなります。
リスク分散という発想で注目される新興国たち
一国だけに頼っていると、為替や政治情勢が動いたときに一気に影響を受けてしまいます。実際、複数の国を併用してリスクを分散する動きは着実に広がっており、バングラデシュやフィリピンといった国々への発注が増えているのは、その表れともいえます。
まだ発注実績としては小さいものの、ネパールやスリランカのような国も選択肢に加わり始めました。特定の技術領域や言語対応に強みを持つ企業も出てきており、今後の成長が注目されています。はじめから大きな案件を任せる必要はありません。小さな発注から始めて、実力を確かめながら少しずつ任せる範囲を広げている企業も少なくないようです。
発注企業はどう動くべきか
1カ国に固定しない「複数国併用」という選択肢
開発規模が大きくなればなるほど、発注を1カ国に集中させることのリスクも大きくなります。為替が急に動いたり、その国特有の事情に振り回されたりすれば、開発体制そのものが揺らぎかねません。
実際、案件の内容によって国を使い分ける企業が増えています。基幹システムのような品質重視の開発はベトナムに、コスト重視の付随的な機能開発はフィリピンやインドに、といった形です。窓口を1つに絞らず、複数のパートナーと関係を築いておくことで、突発的なトラブルにも対応しやすくなります。
自社の案件に合った国を見極めるためのチェックポイント
国選びで悩んだときは、まず自社が求める技術領域をはっきりさせておくと話が早くなります。コストと品質、どちらをより重視するかも重要な軸です。日本語でのやり取りがどこまで必要かによっても、候補はかなり変わってきます。
ベトナム・中国は品質と実績を重視する案件に、フィリピン・インドはコストを優先したい案件に向いています。バングラデシュのような国は、任せる工程を工夫すれば十分な戦力になります。1社だけで決めてしまわず、複数のベンダーに話を聞いてみる。それだけでも、案件とのミスマッチはぐっと減らせます。
「安いから」「有名だから」といった理由だけで1カ国に決め打ちせず、案件ごとに見極め、必要なら複数の国を使い分けていく。そんな柔軟さこそ、これからのオフショア開発を成功させる鍵になりそうです。ぜひ本記事を参考に、自社の案件に本当に合う発注先を見つけていただければと思います。
参照:オフショア開発白書2025年版(発行:オフショア開発.com)
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