iOSアプリ開発のための主なプログラミング言語を紹介

公開日:2024/02/26 最終更新日:2024/02/26

iOSアプリ開発のための主なプログラミング言語を紹介

高速インターネットやスマートフォンの普及により、アプリはすっかり私たちの生活にとって身近な存在となりました。さまざまな分野で、多くのアプリが開発されています。

世界的に見るとスマートフォンのOSシェアはAndroidが7割を超えていますが、日本においてはAndroidのシェアも増えてきてはいるものの、まだiOSユーザー優位であるため、日本のユーザーが使用するアプリではiOSアプリの開発を無視することはできません。

本テキストでは、iOSアプリ開発のための主なプログラミング言語である『Objective-C』『Swift』について解説していきます。

Objective-Cの概要

『Objective-C(オブジェクティブシー)』は、Apple社がiOSソフトウェア開発の標準言語としている開発言語の一つです。1983年にアメリカのブラッド・コックス氏とトム・ラブ氏が設計した、C言語をベースにオブジェクト指向化した上位互換言語であり、C言語の記述をそのまま活用することもできるのが大きな特徴です。

スティーブ・ジョブズ氏がApple社から離れていた時期に創業したNeXt社が商標と権利を取得していたのが『Objective-C』であり、ジョブズ氏がApple社に復帰した際にこの言語によって開発されたNeXTSTEPをベースにMacOS Xが生まれたという背景も。そのため、2008年にはiOSアプリの公式開発言語となっています。

Objective-Cの長所と短所

『Objective-C』が生まれたのが1983年、iOSアプリの公式開発言語となったのは2008年。長い間使われてきた言語であるため、ライブラリが豊富で開発がしやすいのが大きな長所と言えるでしょう。

短所は表記が難解で、初心者には学習が難しいこと。後述する『Swift』に比べるとどうしても癖が強く扱いにくい言語だと言えます。

Swiftの概要

『Swift(スウィフト)』はMac OS X Yosemiteと共にWorldwide Developers Conference 2014で発表された開発言語であり、前述したように難解で癖のある『Objective-C』に比べ、よりわかりやすく書きやすい言語となっています。

『Objective-C』のコードを組み込むのも簡単で、処理速度も『Objective-C』の2倍以上と非常に高速。オープンソースであることも大きな特徴です。

コーディングを行いながらリアルタイムで動作確認できる機能『Playgroud』によって、開発をより効率化することができるようになりました。

Swiftの特徴と進化の可能性

先に少し触れましたが、『Swift』の特徴は何といってもコードが書きやすく読みやすいこと。それだけでなく他の言語との互換性や、高速であること、オープンソースであることなどが挙げられます。

柔軟性の高い『Swift』は今後さらなる進化が見込まれる言語であり、現在はiOSにとどまらずWindowsでの開発も可能となっています。AI分野などでの利用も期待されています。

SwiftとObjective-Cの違い

『Objective-C』は歴史も古く、C言語を元にしてつくられた言語であるため、多くのライブラリを活用することができます。ただしiOSアプリ開発以外に使われることはほぼありませんし、表記が難解であることがデメリットです。

『Swift』は簡潔でわかりやすい記述が特徴で、『Objective-C』とも互換性があり、処理速度が高速、最小限の型を指定すれば推論できる型を自動で指定してくれる機能『型推論』を備えているなどのメリットがありますが、歴史がまだ短いため『Objective-C』ほどライブラリが豊富ではないというデメリットがあります。

SwiftとObjective-Cどちらを選ぶ?

『Swift』の方が開発言語としては『Objective-C』よりも後発であり新しい言語ということもあり、『Objective-C』の欠点を補い、より効率的な開発言語となっています。わかりやすいという点からは、初心者であれば『Swift』一択でしょうし、C言語の心得があるなら『Objective-C』の方がとっつきやすいかもしれません。

とはいえ、『Objective-C』はレガシーな言語となりつつあることから、今後は『Swift』へと移行していくと考えられますが、『Swift』では開発が難しい部分を『Objective-C』で開発するなど『Swift』では補いきれない部分を『Objective-C』で補うというケースも多く、iOSのアプリを開発するのであれば両方おさえておきたいところです。

開発目的に合わせた選定ポイント

『Swift』と『Objective-C』どちらを選ぶかはなかなか難しい選択肢ではありますが、開発目的に合わせて選定してみるのもよいでしょう。

例えば、一から新しいアプリを作るなら、処理速度の速さやコードのわかりやすさなど、開発効率の高い『Swift』を使った方がいいと考えられます。『Swift』は後から機能を追加することのできる『extension』が備わっており、アプリのメンテナンスがしやすいという嬉しいメリットがあります。

先述したように、『Swift』にはまだ不得意分野があるため、それを『Objective-C』で補うというケースがたびたび発生します。そんな時は『Objective-C』を選定するべきでしょう。

また、『Swift』で開発していても『Objective-C』をライブラリとして呼び出し、2つの言語を共存させて開発を進めるという手法もあるので、基本は『Swift』で開発しつつ『Objective-C』をあわせて活用するというのが一番効率的な開発方法かもしれません。

iOSのアプリ開発に利用されるフレームワーク

iOSのアプリ開発に活用されることの多いフレームワークには『React Native』『Flutter』などがあります。

React Native

『React Native』とはMeta社が提供するJavaScript開発用のフレームワークであり、AndroidやiOS、Webアプリに活用され、一つの開発で同時に異なるOSの開発を進めることができます。

ソースコードを保存する際に自動で変更が反映されるホットリロード機能など、便利な機能で開発を効率化することができるのが大きな特徴です。

Flutter

2018年にGoogle社が開発したモバイルアプリ用のフレームワークが『Flutter』です。

『Flutter』はiOSとAndroid両方にコードを対応させる変換機能があります。OSに依存する機能については個々に実装する必要があるようですが、それによって開発効率を大幅にアップさせることができます。

開発支援ツールの選定

iOSアプリ開発を効率化し、より高品質なアプリケーションを作成するためには、適切な開発支援ツールの選定が必要不可欠です。この項では、iOS開発で広く使われている主要なツール『Xcode』『CocoaPods』『GitHub』について解説します。

Xcode

『Xcode』はApple社が開発したApple公式の統合開発環境です。Apple製品のアプリを作る際にもっとも信頼できるツールの一つと言えるでしょう。

コードの補完や検索機能が優れており、直感的な操作によって開発がしやすいのが大きな特徴です。また、テスト機能も備わっているため、高い品質のアプリを簡単に作ることができます。

CocoaPods

『ポッズ』という呼び名でもお馴染みの『CocoaPods』は、10万近くのライブラリ数を誇るライブラリ管理ツールであり、300万以上のアプリに活用されています。『CocoaPods』を使うことで、手動でプロジェクトにライブラリを追加する手間が省けます。

GitHub

ソースコードをオンラインで管理・共有するサービスである『GitHub』は世界中で開発に活用されています。もともとあった『Git』というシステムを元にしており、『Git』はソースコードのバージョン管理を行い、どのファイルが最新のものかわかるようにするシステムでしたがこれをオンラインで世界中のプログラマーが使えるようにしたのが『GitHub』です。最新のものだけではなく変更履歴もわかるため、多くのプログラマーがかかわるプロジェクトでも開発を効率的に進めることができます。

まとめ

日本企業のDX化が急務と言われてすでにかなりの年月が経ちました。デジタル化は進んでいる一方、トランスフォーメーションはなかなか進んでいない企業もまだまだ存在します。

世界的パンデミックの影響もあってIT化が加速した反面、国内のIT人材不足は深刻な状況が続いており、海外のITアウトソーシングを活用する企業も増加しています。

当初はコスト削減を目的として利用されていたオフショア開発は、近年は優秀な人材を確保する方法の一つとして選択されることも増えてきました。さまざまな開発手法を熟知した経験豊富な人材を国内だけで探すのは難しくても、海外に目を向けることで優秀な人材に出会うことができるからです。

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