最終更新日:2023/08/10

中国人ITエンジニア(IT技術者)との信頼を構築するために

中国人ITエンジニア(IT技術者)との信頼を築き上げるためには、まず中国人ITエンジニアの特徴・性質を知る必要があります。

日本人と中国人とでは、文化や考え方、商習慣など異なる部分が多いので、相互理解がもっとも重要であり、特に日本の考え方を落とし込もうと思っても上手くいかないことが多いということには十分に注意しなければなりません。

卓越した日本語運用能力・コミュニケーション能力

中国人ITエンジニアの特徴・性質について、中国という国から考えてみましょう。

中国は56民族からなる多民族国家です。そのため、中国人エンジニアは文化の壁を超えてコミュニケーションすることに長けた性質をもった人材が比較的多いといえます。

オフショア開発において、日本語でのコミュニケーション能力は非常に重視されるポイントです。いまでは、ベトナム・ミャンマーも日本語が堪能なITエンジニアが増えてきています。ただ、ベトナムやミャンマーのオフショア企業は口を揃えて、一番日本語能力が卓越しているのは中国人ITエンジニアだと言います。

もちろん、中国が対日本市場向けに長くオフショア開発を提供している、という経験・実績に依るところもあるかと思いますが、それでも、これだけ中国人ITエンジニアの日本語コミュニケーション力が評価されているのには、それに長けた性質があると言えるのかもしれません。

中国人ITエンジニアが優秀な理由|貪欲なスキルアップ思考

中国は経済もここ数年で急成長し、今や世界屈指の大国となりました。ITの領域も同様で、ソフトウェア開発技術も世界トップレベルで、AIやIoT、ビッグデータ解析などの先端テクノロジーは各国から注目の的となっています。

そんな急成長を遂げた中国のITエンジニアは、日本国内とは比べものにならないスピードの変化を経験してきています。

それは技術領域においても同様で、最新技術へのキャッチアップはもちろん、スキルの習得・習熟に非常に熱心です。日本では扱うITエンジニアの高齢化、枯渇が問題となるCOBOLも、興味関心をもってスキルアップのために学ぶようです。中国が日本のCOBOL案件の受け手になることもあるかもしれません。

中国は2000年代までは日本のオフショア先として、製造・テストの工程がアウトソースされることがモデルケースのようになっており、いまでもその形を踏襲している企業も少ないないかと思います。ただし、最近ではそうした日本のオフショア開発案件はやりたがらない中国人ITエンジニアが増えています。理由は明快で、新しい技術に触れることができなかったり、スキルアップに繋がらないような単純業務であったりするからです。

中国人ITエンジニアとの向き合い方

近年、日本国内でのIT人材が枯渇していることが大きな問題となっています。人材不足により多忙を極める国内のITエンジニアは、最新のIT技術にキャッチアップする余裕がないこともあり、結果的に日本国内のIT業界が国際競争力を著しく低下させるかもしれない懸念もあります。

そして、逆にBATHを中心に国際競争力を急速に高めた中国では、ITエンジニアの育成も進み、彼らの間での競争も激しいものとなっています。中国人ITエンジニアにとっては、すでに自国のIT業界が世界トップレベルである自負があります。そのため、これまでは日本のオフショア開発案件に従事したいと考える中国人ITエンジニアも多くいましたが、いまではテンセントなどの国内の開発案件にチャレンジしたいというエンジニアが多数派となってきています。

つまり、中国人ITエンジニアの対応範囲は拡大し、技術力や先進性の面で日本を凌ぐようになってきたといえます。これからは日本国内で不足する優秀なITエンジニアを確保するために、いかに中国人ITエンジニアと付き合っていくか?という認識が重要性を増してくるでしょう。もちろん中国は広く、都市によって状況は異なるので、内陸部や大連など、まだ日本のオフショア先として根付いているところもあります。しかし、このトレンドは少しずつ中国全土に広がっているようです。

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